2022年4月23日、北海道知床半島沖で26名が乗った観光船が浸水事故を起こしました。捜査が進むにつれて見えてきたのは、今回の知床遊覧船の事故は「防げたはずの事故」だったことです。
元々船首に亀裂が入っていたことや、天候が悪く運航は中止すべきだと関係者に忠告を受けていたにも関わらず、出航してしまった知床遊覧船。
知床遊覧船の事故について、船長・豊田徳幸さんの責任が問われていますが、会社そのものに問題がありました。知床遊覧船の運航会社社長の「桂田精一さん」について調査したので詳しく見ていきます。


知床観光船事故「KAZU1」を所有する会社は(有)知床遊覧船
今回、知床半島沖で浸水事故を起こした船「KAZU1(カズワン)」を所有する会社は(有)知床遊覧船です。
住所:〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東53
電話番号:0152‐24-3777
Googleの口コミを見てみると、知床遊覧船のツアーに参加した観光客からは満足したという声が多く書き込まれていました。
ヒグマやイルカなどと出会うことができたり、大自然を満喫できる楽しいツアーのようでスタッフの対応もよく、観光客は楽しい思いでを作ることができ満足しています。
しかし、(有)知床遊覧船は船体の傷は修理しないなど、ずさんな管理体制でした。浸水事故を起こした今は、ツアーに参加したいとは思いません。
知床遊覧船の社長・桂田精一さん
画像:知床遊覧船の桂田精一社長
今回、事故を起こした(有)知床遊覧船の社長は桂田精一さん。
桂田精一さんはしれとこ村グループの代表取締役社長です。桂田精一さんの運営会社の社名は(有)しれとこ村で、ホテルや旅館の運営もしています。
そして、桂田精一さんが代表を務める運営会社(しれとこ村)の中に、今回浸水事故を起こした観光船の運航会社「知床遊覧船」が含まれています。
(有)しれとこ村代表で知床遊覧船を運営する社長・桂田精一さんは、元々は経営者でもなんでもなく、陶芸家だった方です。
個展を開催するほどの陶芸家で経営に関しては素人だった桂田精一さんは突然、知床の旅館の経営を任されました。しかし、旅館の経営状況は赤字。
そんな中、経営コンサルティング会社の(株)武蔵野・代表取締役小山昇さんのサポートを受け、桂田精一さんが経営する旅館はたちまち黒字へと変わりました。
画像:経営コンサルティングの小山昇さん
桂田精一さんは元陶芸家から一転、5つの運営会社の経営者に転身。収入も一気に増えたことでしょう。
知床遊覧船の出航は危険だとされていることは知っていたはずなのに、乗客乗員の命よりも目先の利益を優先しています。知床遊覧船の社長・桂田精一さんの罪は重い。
桂田精一さんのTwitterに顔画像あり
桂田精一さんのツイッターアカウントを発見しました。
投稿は一切なく、プロフィールの詳細も記載されていませんでしたが、フォロー中のアカウントの中に経営コンサルティングの小山昇さんがいました。また、他にも経営者のアカウントをフォローしていました。
桂田精一さんの経営する旅館を赤字から黒字に変えるようサポートしてくれた経営コンサルティングの小山昇さんをフォローしており、経営者のアカウントをフォローしているところを考えると、上の画像のTwitterアカウントは「知床遊覧船」社長・桂田精一さんのもので間違いありません。
顔画像を大きく拡大しました。年齢は50~60代というところでしょうか。上の写真はスーツでびしっと決めているわけではないのでどちらかというと経営者ではなく、桂田精一さんの過去の職業だった陶芸家っぽいという印象を受けます。
桂田精一さんは経営者という立場ではありますが、今でも趣味か副業として陶芸を続けているのではないでしょうか。
知床遊覧船・桂田精一さんのフェイスブック
桂田精一さんのフェイスブックアカウントを発見しました。2019年3月21日を最後に更新は止まっています。
画像:桂田精一さんのフェイスブック最後の投稿
桂田精一さんのFacebookの投稿のほとんどが、仕事に関する内容でした。
たまに、プライベートの投稿もしていましたが、知床観光事業に関する内容が多かったので仕事に対して熱心な印象を受けます。Facebookの友達には経営者関係の方も多く、コメントでアドバイスをもらうなどして、仕事に活かしていたようです。
桂田精一さんは元陶芸家なだけあって、職人気質。中途半端な仕事はしたくないのでしょう。しかし、事業を成功させるために何ができるのかを考えることができるのに、なぜ観光船の乗客乗員の命を守る方法については考えなかったのでしょうか。
桂田精一社長は宿泊客レイプ被害をもみ消していた(4月27日追記)
桂田精一社長のFacebookには、元スタッフによる告発が投稿されていました。告発しているのは、しれとこ村で働いていた元スタッフの女性。レイプ事件、従業員同士の暴行事件、従業員への賃金未払いなど、桂田精一社長の悪事が暴露されています。
第①の事件 フランス人女性がレイプされる
・2019年6月23日。しれとこ村つくだ荘(ホテル内のスタッフ専用ルーム)でレイプ事件が発生。
・レイプの被害に遭ったのはフランス人女性で、同室の日本人が通報済み。
・しれとこ村つくだ荘でフランス人女性が泊まった部屋は、女性専用の部屋だったが、鍵がなかった。そのため、侵入者に襲われる事態となった。
・桂田精一社長含め、経営陣は泣いている被害女性(フランス人)や被害女性に寄り添う他の女性従業員らに「今すぐ戻って明日の仕事の準備をしろ」、「フランス人は性にオープンだから自分から誘ったんだろう」と言い放った。
・その後、桂田精一社長はレイプ事件を隠ぺいし、女性専用のゲストルームの鍵はない状態のまま使用し続けている。
第②の事件 従業員同士のケンカ
・2019年8月1日、従業員同士がケンカをする事態となった。
・加害者は千葉からアルバイトにきた男性従業員。
・酔っぱらった加害者の従業員が、被害者の従業員へ暴行し逮捕。網走刑務所に収監された。
・加害者の従業員は2か月間網走刑務所に留置され、桂田精一社長は一度も面会に行かなかった。また、加害者従業員は尞に住んでいたが桂田精一社長が追い出している。
第③の事件 従業員への賃金未払い
・告発した元従業員女性は、しれとこ村で2019年10月21日まで働いていたが、それまで働いていた給料と、渡航費がまだ未払いのまま。
・桂田精一社長には2019年11月10日に振り込むと言われたが、Facebookで告発した日(2019年11月13日)の時点ではまだ入金されていない。
・また、残業代も未払いのまま。
第④の問題 長時間労働のかなりのブラック企業
・8時間勤務が基本だが、毎日8時間以上、多い時は11時間以上働かされた。また、休憩は一切なしで、残業した分の給料はなし。
・休みも少なく、11連勤は普通、人によっては30連勤させられている人もいた。
・しれとこ村で働く人のほとんどが、フランス人で有給休暇の存在は知らされていなかった。
・また、従業員はどうせフランスに帰ってしまうからと舐められていた様子。
・求人票には、アルバイトをする人は買い物などで町に出たい場合、車を出すと記載されていたが車を出してくれることはなかった。
元スタッフの告発は紛れもない事実です。レイプ事件の隠ぺい、暴行事件、長時間労働のブラック体質。桂田精一社長は従業員をただの駒としか見ていなかったようです。
知床観光船KAZU1を運転していた豊田徳幸船長も自身のFacebookに「ブラック企業で右往左往している」と投稿していたことから、しれとこ村グループはかなりのブラック企業でした。
画像:知床遊覧船KAZU1の船長・豊田徳幸さん
桂田精一社長を恨んでいる人は多いはず。
桂田精一氏「カズワン(KAZU1)」の修理は後回し
桂田精一さんが運営する(有)知床遊覧船の保有する「KAZU1」が今回事故を起こしました。
画像:観光船のKAZU1(カズワン)
関係者によると、知床遊覧船「KAZU1(カズワン)」の船首には2メートルほどの亀裂が入っていたことが明らかとなっています。
上の画像を見て頂くとわかりますが、カズワンの船首部分には、縦に亀裂が入っています。これだけ大きな亀裂があるにも関わらず、修理はしていません。
さらに、事故当日は悪天候で観光船の運航は危険な状況でした。KAZU1の運航について、他の漁場関係者からも運航はやめるよう忠告を受けていましたが忠告は無視して出航。その後、座礁する事故へと発展しました。
観光船の修理もせず、悪天候の中でも出航し多くの人の命を奪った今回の知床遊覧船事故は、人災だったとしか言いようがありません。
知床遊覧船・桂田精一社長は悪徳経営者(4月25日追記)
HBCニュースが51歳の元船長に取材をし、知床遊覧船の社長・桂田精一さんの経営方針や性格について詳細が明らかとなりました。
◆今の経営者は…
「今の運航会社の社長は、船のことも、海のことも知らない」
「お金にだらしない人。銀行で金を借りていたけど、去年、おととしくらいから経営が上手くいかずに、常に『お金がない』と話していた」
「波があって出航をやめたときも、社長には『何で出さないんだ』と言われていた」
「経営は厳しく『銀行からお金が借りられない』と言っていた」
「僕がいる間は、無事故の会社だった」
「室内船は、乗船時はライフジャケットの着用義務はない」
「知床岬コースは、長いし、人気のコース。社長が変わってから、4月からやるようになった」
「当初は、4~5月は海が冷たくて、時化るため、6月まで運航していなかったコース」
「クマがほぼ見られることや、時間が長いコースであることから、人気のため、他の会社もやってるし、GW中にも出すように変えた」
知床遊覧船の桂田精一社長は、元陶芸家で海のことも船のことも何も知りませんでした。元船長だった男性は、悪天候で観光船の運航を自身の判断で中止したときに桂田精一社長に「なぜ船を出さないんだ」と叱責されています。
元船長が危険だと判断したから運航をやめたのに、桂田精一社長は目先の利益しか見えていませんでした。
また、桂田精一社長はお金にだらしないこともわかっており、5つのグループ会社の運営をしているにも関わらず、常に「お金がない」と話していたようです。
わたしの知り合いにも陶芸家がいますが、稼いだお金はすぐに使ってしまうタイプで元陶芸家の桂田精一さんも稼いだら稼いだ分使い切ってしまう性格なのかもしれません。
桂田精一社長は、知床遊覧船の経営状況が悪化したことで資金繰りに悩み、少しでもお客がいれば悪天候で危険な運航でも船を出していました。海も船も知らないのに、人命よりもお金優先な悪徳経営者だったのです。
知床観光船の桂田精一さんは知床小型観光協議会・会長もやっていた
桂田精一さんは、知床小型観光船協議会の会長を務めていました。知床小型観光船協議会とは、知床小型観光船を盛り上げるため、桂田精一さんが経営する「知床遊覧船」と他の会社、計4社合同で2020年7月よりクラウドファンディングを実施しました。
<名称>
知床小型観光船協議会
<代表者>
会長 桂田 精一
<設立>
2006年4月
<事業内容>
観光船事業(当協議会は、刻々と変化する海上状況の情報共有や、合同での水難救助訓練の実施など、4社での強い協力体制を構築するために結成された組織です)
<URL>
▼知床クルーザー観光船ドルフィン(有限会社ホワイトリリー旭川)
http://www.shiretoko-kankosen.com/
▼ゴジラ岩観光(有限会社丸は宝来水産)
https://kamuiwakka.jp/
▼知床遊覧船(有限会社知床遊覧船)
https://www.shiretoko-kazu.com/
▼知床世界遺産クルーズFOX号(有限会社フォックス)
知床小型観光船協議会の代表者は桂田精一さんです。しれとこ村の事業の他にも、知床小型観光船協議会を立ち上げ、観光船事業の活性化に取り組んでいます。
このクラウドファンディングで集まった資金は622万円でした。資金の使い道は以下の通り。
●事務所の家賃
●お客様用駐車場の使用料
●人件費
●リターン品の制作費・送料
●クラウドファンディング決済手数料
クラウドファンディングで集めた資金の使い道の中に、船舶の維持管理費と記載されていました。しかし、座礁事故を起こした「KAZU1」の船首の亀裂の修理はしていませんでした。
素人が見てもわかるであろう知床遊覧船カズワンの亀裂は、クラウドファンディングで集めた資金で治すべき箇所だったはず。桂田精一さんは観光船事業の経営悪化で目先の利益だけを優先し、資金の使い道を間違えたようです。
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